東洋医学の一種である漢方薬は、漢方医学という分野で処方されるものですが、近年では西洋医学の病院においても用いられるほど見直されています。日本では西洋医学が主流となっているので、漢方医学といっても分かりにくいかもしれませんね。太極拳や気功、按摩、養生、針灸なども漢方医学です。
複数の生薬を、その人の体質や症状にあわせて組み合わせますから、西洋医学で処方される薬のように、病名で薬が決まるわけでないのが違うところです。
患者さんの中には、匂いのきつい漢方薬を、自分で煎じて飲まなければいけないと思っている方もいるようですが、エキス剤になっているタイプが普及していますので、会社や学校などにも持って行きやすくなっています。
西洋医学にも取り入れられる漢方薬
漢方による診断
漢方は中国から伝わった伝統医学のことです。漢方が特徴的なのは、その診断法でしょう。漢方では、患者の状態を証(しょう)と呼びます。証によって治療の方法が決まりますが、そのために患者を五感を使って診察します。この診断を四診と言います。漢方の四診には望診・聞診・問診・切診があります。望診は視覚で患者さんをチェックします。聞診で声や咳を聞いたり、体臭や口臭をチェックします。問診では、便の回数や色、胃腸症状などを聞きます。切診では、脈や腹部に触れて状態を見ます。
このような全身の症状から総合的な判断をして、証を見極めます。漢方では病気の症状によってではなく、証によって漢方薬を処方します。つまり、漢方での治療は、体のバランスを全体的に整えていくことにあると言って良いでしょう。